手打ちそば処 かわちや (てうちそばどころ かわちや)

2009年にオープンした比較的新しいそば処です。店主は南会津町のそば打ち団「御蔵入そばの会」の会長を10数年務めたとのこと。
そば打ち歴は30年以上、そばは自家栽培、十割そばにこだわっています。遠く大阪、神奈川から食べにくるファンもいるそうです。
- 住所
- 〒967-0004 福島県南会津郡南会津町田島字本町甲3847-1
- TEL
- 0241-62-2167
- FAX
- 0241-62-2167
- 営業時間
- 11:00〜14:00
※木曜定休
南会津町田島地区の中心部にあるそば処です。国道121号沿いにあるビルの、駐車場になっている1階部分を入っていきます。国道沿いに「そば」、「十割そば」という看板が出ています。
・席数 40席
・貸切 可(20人~50人)
・テイクアウト可(※お問い合わせ)
自宅の一角をそのまま店舗にした店内は、親戚の家の座敷にいるようなくつろげる空間です。ご主人は寡黙そうに見えますが、そばの話を始めると止まりません。奥深い話につい引き込まれてしまいます。
そばへの情熱が高じて、種まきから収穫・乾燥・石臼挽き製粉・調理までを一貫して行ほどのだわり。湯ごね、水まわしをしっかりした平麺仕上げは滑らかなのどごしです。
打ち粉は極力使わず、切ってからもできるだけ粉を落とすのも美味しいそば打ちの条件のひとつ。ご主人いわく、打ち粉は食べた時の食感・のどごしに影響してしまうとのこと。
2012年に「南会津のグルメ まんぷくグルメリレー」で取材に伺いました。動画もぜひご覧ください。
「そばは生き物だから」と、猪俣さんは語ります。
乾燥の仕方で、そばのつながりやすさや味もまったく変わるそうで、天日干しより陰干しがいいそう。「(南会津町)田島近辺でできたそばの実は、甘皮を引き込んでも食感が落ちず、さらっとして香りのある歯切れのいい、のどごしのよいそばができるから、俺は好きだな」と。
そばを打ち始めたころは、イベントに出店しても十割は「まずい、食感が悪い、短い」などの悪いイメージが強かったそうです。十割そばの良さを理解してもらいたい一心でご自宅で営業を始めました。お客様も、最初は半信半疑でも、お帰りの際は満面の笑み。「顔をみればわかる」という口調には、信念が感じられます。
味はお客様が判断することで、満足していただくにはひとつひとつの工程を丁寧に積み重ねてゆくこと。ただ、自分の納得のいくものを提供したいというご主人の情熱。極めようとする過程とそばへの真摯な思いから生まれた徹底したこだわり。「だからそばは面白い」と話すその姿に、あくなき探究心と職人魂を垣間見ました。