伊南川流域の郷土料理

檜枝岐村から南会津町(伊南・南郷地域)を通り只見町の只見川へ流れ込む「伊南川」。伊南川流域の地域の人々は、川魚や山菜などの旬の恵みを味わい、雪に覆われる冬には保存食を上手に活用し、独自の郷土料理を作り上げました。そして、この伊南川流域の郷土料理は、現在まで、地域の人たちに受け継がれ、食されています。
お 平(おひら) |
伊南川流域の地域に伝わる伝統的な料理で、年越しやお祝い事などの際に食べられてきました。平椀に盛り付けられることから「おひら」と呼ばれるようになったとも言われています。
肉ざら |
冠婚葬祭など、人が大勢集まる際に振る舞われる料理です。深皿に盛り付けることが多いので、「にくざら」と呼ばれるようになったと言われています。
ニシンの麹漬け |
ご飯にもお酒にもよく合う一品です。寒くなってきた時期によく作られます。
やきもち |
そばには良質なたんぱく質が含まれていることから、昔は健康食として囲炉裏の熱灰で焼いてよく食べられていました。
ニシンの昆布巻き |
保存のきく干物の身欠きニシンの昆布巻きは、お正月やお祭りなど、お祝い事で食べられてきました。
ゼンマイと舞茸の油炒め |
春先に灰汁抜きして、干して乾燥させ保存しておいたゼンマイは、油炒めなどで食べられてきました。
エラのおひたし |
山菜のミヤマイラクサは、この地域では「エラ」と呼ばれて、春先のまだ葉物野菜が少ない時期によく食べられてきました。
いな郷土料理研究会 |
取材に御協力いただいたのは「いな郷土料理研究会」のみなさん。メンバーは南会津町伊南地域のお母さんたちです。「食は歴史をつくり 歴史は人をつくる」をモットーに、郷土料理の継承と新たな開発を目指した勉強会や講習会を開催しています。
「郷土料理は地域の味・家庭の味なので、子どもたちに伝えていきたい。」と様々な行事への協力も行っています。
伊南川流域の郷土料理が食べられるお宿・お店 |
伊南川流域にある下記のお宿やお店では南会津の郷土料理を提供しています。季節や仕入れなどの状況で提供していない場合がありますので、ご利用の際はあらかじめお問い合わせください。
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深沢温泉 季の郷 湯ら里(只見町) |
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手打ちそば処 八十里庵(只見町) |
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駅前旅館 只見荘(只見町) |
さかい温泉さゆり荘(南会津町南郷)
南会津の郷土料理をご紹介する動画 |
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いな郷土料理研究会の協力のもと、伊南地域でお正月やお祝い事の際に食べられる「お膳」を作っていただきました。
代表的な郷土料理の「お平」や「肉ざら」など地元のお母さんたちの作り方がよくわかりますので、ぜひ、動画を見ながらご家庭でも作ってみてください。
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この動画は、「南会津のグルメ 昔グルメリレー」で「お平」を紹介した時のものです。只見町の「森林(もり)の分校ふざわ」で、「森林(もり)の里応援団」のお2人が作ってくださいました。
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雪深い1月の只見町。家々では秋に収穫したもち米と麦芽を使って水あめ作りが行われます。
只見町には「あめよばれ」という習慣があり、水あめができると各家庭で一度ずつはお互いに呼んで呼ばれて水あめを振舞います。水あめのほかにも、お漬物やちょっとしたお料理などがこたつの上に並び、集まったみなさんが話に花を咲かせます。
しかり、高齢化や作業の大変さなどから、最近ではあめよばれの習慣も少なくなってきました。
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高地にある檜枝岐村は稲作に適さない土地のため、村人は昔から米に頼らない山の幸、川の幸などを使った料理をおいしく食べる方法を模索してきました。そうして生まれたのが「そば」「山菜」「きのこ」「川や山の生物」を使った檜枝岐の郷土料理「山人(やもーど)料理」です。
その名は、山に入り木工品を作ったり、猟を行う村の男達の呼び名「山人(やもーど)」に由来しています。