

奥会津は福島県と新潟県の県境にあります。
日本有数の豪雪地帯であるがゆえに、伝承された技。雪に閉ざされた間の仕事として、編み組細工(山ブドウ細工、ヒロロ細工、マタタビ細工など)が古くから継承されてきました。
身近な自然からの恵みの素材を用いて、生活の用から生まれた工芸は、物がしっかりと壊れにくくできていて、素朴な手編みの良さが特徴です。手作りならではの味わいが日々の暮らしに彩りを与え、愛着が生まれます。地域に住む高齢者を中心に、一つ一つ丁寧に手作業で制作しています。
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山間地における積雪期の手仕事として、山間部で採取されるヒロロ、山ブドウやマタタビなどの植物を素材とした編み組細工で、日常の生活に用いる籠や笊などが伝承されてきました。 奥会津編み組細工は平成15年に国の『伝統的工芸品』に指定され、その歴史は縄文時代まで遡ることができます。 囲炉裏端で『親から子へ、子から孫へ』と受け継がれた暮らしの技術は今、奥会津の編組みの産地へと生まれ変わり、縄文の文化を継承している工芸品であり多くのファンを魅了しています。
奥会津では編み組細工の作り手さんを「工人(こうじん)」と呼んでいます。
≪三島町で編み組細工をされている工人さんをご紹介します。≫
≪小柴 芳夫 (こしば よしお) さん (87歳)≫
≪角田 キイ子 (つのだ きいこ) さん≫
国の伝統的工芸品に指定されている三島町の編み組細工、いつまでも継承されてほしいと思います。 |

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ヒロロ細工では、主に『ヒロロ』、『モワダ』、『アカソ』の3つの素材を使います。 素材によって色や質感が変わることも面白さのひとつです。
《ヒロロ細工に用いられる繊維の種類》
(ヒロロ)写真左 ヒロロの編み目は艶と光沢があり、緑がかった淡い草色になります。素材の太さも均一なので、整った編み目が作りやすいです。 ホンヒロロ(ミヤマカンスゲ)とウバヒロロ(オクノカンスゲ)があります。ホンヒロロは二百十日(9月1日)頃から、ウバヒロロは6月末ぐらいから採取しますが、採取時期が早いと材料の丈が短く強度も劣ります。また、遅いと材料が硬くなり使いづらくなります。
(モワダ)写真中央 モワダはヒロロよりも赤みのある茶色になります。木の皮ならではの、素朴で柔らかな風合いが魅力です。 シナノキの樹皮。シナノキはシナノキ科シナノキ属の落葉広葉樹で、強靭な繊維がとれます。梅雨の時期に伐採して、樹皮を剥ぎ、乾燥させて使用します。
(アカソ)写真右 アカソはより艶のある、深い茶色に。秋や冬に持つ手提げとしても重宝します。 赤麻とも書きます。イラクサ科カラムシ属の多年草です。梅雨の時期に採取し、根を残しておけば次の年も採取できます。
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山中での厳しい作業に耐える頑丈な籠としてつくられてきました。材料となる山ブドウの皮は、栗の花の咲く6月頃に採取する一枚皮が原材料とされます。材料が強靭であり、用途により異なった編みの技法により、手さげ籠・抱え籠・菓子器などが作られます。
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一本の蔓から伸びる肉厚の成熟した1m~3mの枝を材料とし、水切れが良く、しなやかな手触りの笊は野菜を洗ったり、米を研いだりする台所用品として使われてきました。編み終わると「寒晒し」することで強度を増します。
≪編み組細工のある暮らし≫ マタタビ笊は弾力があって水切れもよく竹のようにささくれることもないので 手に優しく丈夫です。昔から米をといだり(洗米)、野菜を洗ったり、食材を入れて運んだり等、生活用具として使われてきました。 材料となるマタタビは蔓性の植物で、積雪地帯のものが優良とされ、奥会津山間部には地理的条件から優良なマタタビが多数採取されます。 マタタビ細工は、水切れが良いことに加え、水分を含んだ材料はしなやかで手を傷つけることが少ないのが特徴で、主に炊事用具として用いられました。用途により異なった編みの技法が用いられます。 また、材料の採取から完成に至るまで全て手作業で行われています。
手提げ籠としても利用されます。とても軽くて使いやすいです。 編み組の目もとてもきれいで、アートのようです。
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【アケビ蔓細工】 アケビ蔓は採取が困難な上に編むのにも、干したり、畳んだりする手間がかなり大変です。 アケビ蔓は細い蔓から太い蔓まで様々です。
≪細い蔓での制作品≫
【ワラ細工】 なかなか手に入りにくい、珍しく貴重な『猫ちぐら』 猫ちぐら(猫つぐら)は、わら(藁)で作った猫用ベッドです。
写真右は『雪踏み』の道具ですが、三島町のあるお店では、雪の無い季節は受け皿を中に入れて『傘立て』にして使用していました。家の玄関にいかがですか?!
【ガマ細工】 「がま」は防水性に富み、雨・雪を防ぐのにすぐれていることから、様々な製品が作られてきました。
【アカソ細工】 茎の繊維が丈夫でなので、古い時代から繊維を取り出して布として利用されています。
【くるみ細工】
≪編み組細工のある暮らし≫ 【ほうき草細工】 掃除用具として生活には欠かせないものです。電化製品が主流の現在ですが、ちょっとしたお掃除には、工人さんがしっかりと制作した『ほうき』は、電気代もかからずとても重宝で家に1つあるととても便利ですよ!!
【カサスゲ細工】 身近に生育する大型のスゲの代表的なもので、菅笠などの材料として利用されてきました。イネのように細長い緑の葉を茂らせ、高さ2メートルほどに成長。水に強く、笠の材料として優れています。 また、毎日使う台所の必需品の『たわし』としても性質が良いので、長く使用できる優れものです。
【モワダ細工】 モワダとヒロロの2種類の素材を使用して制作された作品。モワダは少し赤みがあるので風合いがとてもきれいに仕上がります。
【アサ糸細工】 アサ糸は編みやすくて、繊維がしっかりとしていて丈夫で長持ちします。使えば使うほどに艶が出て、味が出て、一緒に年輪を重ねてくれそうです。
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こちらで紹介した商品は【三島町生活工芸館】で購入することができます。価格は商品や編み組技術の難易度によって様々です。今回紹介した手提げバッグは16,000円~高価な物で375,000円くらいで購入できます。また、【道の駅 尾瀬街道みしま宿】でも購入できます。
また、10月中旬に三島町で開催される『会津の編み組工芸品展』や3月中旬開催『全国編み組工芸品展・三島町生活工芸品展』、6月中旬開催『ふるさと会津工人まつり』等でも購入することができますので是非お越し下さい。
奥会津三島町の玄関口として観光客の休憩地点となっている【道の駅 尾瀬街道みしま宿】でも編み組細工を購入できます。ぜひ奥会津にお越しになり、お立ち寄りください。
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≪年間のイベント予定≫
6月 ふるさと会津工人まつり 10月中旬 会津の編み組工芸品展
1~2月 ものづくり教室 3月中旬 全国編み組工芸品展・三島生活工芸品展
購入された編み組細工の商品をオシャレに愛用されている方々。ふるさと会津工人まつりの様子です。
ショルダーバックお似合いですね!! マタタビ細工の大きな籠バックと山ブドウ細工の携帯ケースオシャレですね!! 山ブドウ細工の手提げバックジーンズに合いますね!! クルミ細工のショルダーバック他、皆さん素敵ですね!!
28年前の1987年から始まった、作り手と使い手の交流の場【ふるさと会津工人まつり】は、今や日本中から2万人が集うほどに成長。人口約1800人の町も、この時ばかりは手仕事との出会いを求める人たちで賑わいます。自然の匂いあふれる手かごやざるには、ものづくりを喜ぶ作り手の美しい生き方が一緒に編み込まれ、訪れる人を惹きつけます。今回ご紹介した作品の他にも、数多くあります。 また、NPO法人『日本で最も美しい村』連合は、フランス発祥の活動を規範とし、日本の美しい農山村を未来へ残すため設立されました。加盟基準には『人口一万人以下』・『生活の営みによって作り出される景観・環境・文化』・『地域資源を活かす活動』などがあり、会津では三島町と北塩原村が加盟しています。 |

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【編み組細工体験】 ≪山ブドウストラップ作り≫ 奥会津に受け継がれた先人の『技』をスタッフが体験しました。 三島町の工人さん 小柴 芳夫さんがやさしく丁寧に作り方を教えてくださいました。 一般の方も体験できますので、 『三島町生活工芸館』にお問い合わせください。また5名様以上での体験は要予約となります。
スタッフの【編み組体験】の様子は『いいね!奥会津』の≪すたっふぶろぐ≫で詳しく紹介します。 ◇詳細はこちらから⇒【スタッフが行く】編み組細工体験
【ヒロロ教室】毎月第1・第3・第5土曜日開催≪一般の方も気軽に参加できますので、ぜひご参加ください≫
講師の角田 キイ子さん(三島町の工人さん・写真左) 角田さんのご指導で、みなさん様々なデザインのバックを編み組制作していました。
まず初めに、ヒロロを手で縄ないのように少しずつ束ねて、水で湿らせながら、よじれないように一本の編みひも状にしていきます。これがけっこう大変な作業です。
中には男性の方が『ヒロロ』と『アカソ』を材料に素敵なデザインのバックを制作していました。他にも材料に『ヒロロ』と『モワダ』を使用している方が多数いらっしゃいました。
こちらの方々は編み組始めたばかりで、手提げバッグの底の部分を編んでいます。
こちらの方々はバッグの側面の部分を編み組しています。地道な作業です。
ほぼ、完成間近! 取っ手の部分を付けて後処理をすれば完成です。
講師の角田さんは、「90歳代のおばあちゃんにプレゼントをしたい!」とプレゼントを贈るおばあちゃんのお孫さん(男性)に制作を依頼され、バッグを編み組始めました。おばあちゃん思いの素敵なお孫さん!!出来上がりが楽しみですね!
編み組細工を体験した『三島町生活工芸館』では豊富なデザインのネックレスや細かくおしゃれな形のストラップ等が多数販売されています。 ぜひご来館ください。
三島町生活工芸館では、『ヒロロ教室』を開催しています。手提げバックを制作します。 ≪年間ヒロロ教室≫ 毎月 第1・第3・第5 土曜日 場所:『三島町生活工芸館』 時間:AM9:00~PM16:00 ※手提げバックの制作完成には約1年を要します。(個人差があります。)
他にも【山ブドウの皮のストラップ作り体験】や【ヒロロコースター作り体験】もできます。工人さんや三島町生活工芸館のスタッフが丁寧に教えてくれます。 ※完成には約1時間30分~2時間を要します。(個人差があります。) 小学校や子供会・婦人会などの団体様(5名以上は予約が必要)もOK!です。 ぜひ体験してみてくださいね!!
【お問い合わせ】 三島町生活工芸館 〒969-7402 TEL 0241-48-5502 FAX 0241-52-2175 【定休日】月曜日、祝日の翌日、年末年始
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