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 毎年恒例の日本三大祇園祭のひとつに数えられる「会津田島祇園」が今年も近づいてきました。

 7月22日・23日・24日の3日間 開催される祇園祭の期間中は数多くの露店や4つの大屋台が立ち並び大勢の観光客で賑わいます。

 今回は、祇園祭の見どころのひとつ「子供歌舞伎」を特集し、上演演目”一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)”を演じる子どもたちの舞台裏をレポートします。

 

 

 

会津田島祇園の全容は下記バナーからご覧ください。

 

 

子供歌舞伎とは

お祭りで大屋台や山車が使われるのは、疫病や祟りを祓ってくれる神様に楽しんでもらうために始まりました。

この祭りでは4つの屋台があり、それぞれの地区にちなんで、西屋台・上屋台・中屋台・本屋台と呼ばれ、屋台の前 半分が舞台、後ろ半分が楽屋となっています。大屋台は、22日・23日の2日間運行します。子供たちをいっぱいに乗せ、衹園囃子を奏でながら、町内を押し歩きます。

歌舞伎を披露する家の前である「芸場」への巡回路を巡って、世話人同士のかけひきが続き「喧嘩屋台」とも呼ばれ、暑い祭りの見どころの一つになっています。

 

子供歌舞伎は江戸時代末期から明治初期にかけて屋台上で子供歌舞伎が上演されていましたが、一時「学制」の制定などで禁止になり、昭和25年から約10年ほどは地元の青年会による歌舞伎が上演されていました。その後はしばらく途絶えていましたが、屋台での子供歌舞伎の伝統を蘇らせようと平成6年に約120年ぶりに復活。

会津田島衹園祭では、時間ごとに芸場と呼ばれる家の前に屋台が停まり、そこで子供歌舞伎が上演されます。例年4演目公演していましたが、今年は2演目(時津風日の出の松、一谷嫩軍記)公演します。

現在は、屋台上での上演のみならず県内外での公園を果たしており、全国的知名度を誇る郷土芸能となりました。

 

 

  

 


今年上演される演目

■一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき) 須磨の浦の段(すまのうらのだん)

 

源平合戦のエピソードの一つ。源氏の武士・熊谷直実と平家の若武者・敦盛が戦場で遭遇する。

その時、敦盛の許婚・玉織姫は愛する敦盛を探し須磨の浦に迷い出る。

 

 

序  幕  敦盛を恋い慕う玉織姫の出、横恋慕する平山との出会い

第二幕 平山、玉織姫を討つ場

第三幕 敦盛、熊谷の出、組み打ちの場

第四幕 熊谷、敦盛を助けんとする場

第五幕 熊谷、敦盛の首討ちの場

第六幕 玉織姫、敦盛の首と対面の場

終  幕  玉織姫絶命、熊谷、無常を語る

 

■時津風日の出の松(ときつかぜひのでのまつ) 鴫山城内の段(しぎやまじょうないのだん)

 

南会津オリジナル演目。戦国時代、伊達正宗の軍勢に責められた鴫山城。

戦になれば滅亡は明らか。家老の隼人之助は自分の命と引き換えに和睦を嘆願する。

 

序  幕  河原田勢を打ち破り、意気沖天の盛秀

第二幕 隼人ノ助、武士の悲哀の胸の内

第三幕 隼人の決心を覆す伊達軍の襲来

第四幕 伊達軍総大将、片倉小十郎の温情は

第五幕 隼人ノ助、死を持って長沼家の安泰を請う

第六幕 父隼人と妻子、今生の別れ

終  幕  民と主反映を願う隼人に応え、片倉も

       ”死を持って守る此の山河”忠臣隼人が物語


歌舞伎への想い
 伝統文化の担い手である子供歌舞伎の役者さんと、縁の下の力持ちとなり支えているお母さんにお話を伺いました。

 

 

 

◆一谷軍記で「玉織姫」を演じる 渡邊陽風(はるか)さん(中学1年生)本番に向けての想いは…

 幼稚園の頃から祇園祭の屋台歌舞伎の役者さんに憧れていたので、歌舞伎を始めようと思いました。

 将来の夢は、着付け師になること。好きな役者は初めて行った歌舞伎座で一目惚れした片岡愛之助さんです。(片岡愛之助さんの話をしているときの嬉しそうな笑顔が印象的でした。)

 歌舞伎の魅力は、祇園祭で屋台に乗って皆さんの前で演じることができること。「玉織姫」は、歌舞伎に入ったときから難しい役だと思っていたので、この役になりきれるか不安ですが、頑張って練習をして、本番には必ずやりきって見せたいです! 

 

◆裏方役で支えている陽風さんのお母さん

 娘が子供歌舞伎をやりたいという思いは、幼い頃からずっと聞いていました。仕事の都合上、練習の送り迎えなどが出来ないので諦めてもらっていましたが、やっと昨年から始めさせてあげることができました。練習から当日まで裏方として付き添っています。

 歌舞伎を始めてからは人前に出ることが恥ずかしがらなくなり、何でも積極的に行動するようになりました。良い機会を与えてもらったなと思っています。歌舞伎を始めてから夢とか楽しみを見つけられたようなので、これからもいろんなことにチャレンジして成長してほしいです。

 

 

 

 

 実は陽風さん、2013年の子供歌舞伎に”南山義民の碑喜四郎子別れの段”の妻・およし役で出演していました。

 子供歌舞伎2年目になる今回の演技が楽しみです。

 

 

 昨年の陽風さんを探してみてください

 

 

 

 


 

 

子どもたちを指導する 花柳貴答先生に伺いました

 

 演技指導で大変なことは子どもということもあって、集中力が長続きしないので持続できるようにどうやって興味を稽古に向かせるか、ということです。工夫を凝らすよう努めています。

 歌舞伎の台詞は昔の言葉。子どもたちには未知の世界で覚えるのは難しいことだと思うのですが、案外覚えてくれます。何よりも教えていて子どもたちの素直さに嬉しくなり、そして成長が感じられることが(教える)わたし自身のエネルギーにもなっています。

 また、子どもたちが本番を迎え観客から拍手をもらって、達成感で嬉しそうな顔を見ると、やって良かったと嬉しくなり、感動して泣いてしまうぐらい私自身も達成感を得ることができます。

 

子どもたちを指導する 鶴澤弥吉先生に伺いました

 南会津で歌舞伎を教えられるようになってから、20年来のお付き合いがあります。

この土地のいつ来ても二度と同じ景色が見られない素晴らしい自然と温かい人柄に惹かれていて、南会津を訪れることが楽しみになっています。

 引っ込み思案でおとなしかった子や、やんちゃで学校の先生の言うことを聞かなかった子が稽古を通して成長し、厳しい稽古も乗り越えた本番の舞台で、堂々とした立派な姿を見ると思わず目頭が熱くなってしまいます。稽古を通して見につけた礼儀作法は、大人になってからもずっと役立っていく大切なもの。日本の伝統文化を子供たちや若いお母さん世代にも知ってもらえたら嬉しいです。

 

 

 

 


練習風景

 

 

 ◆2014/6/5 <見学1回目>

 

 稽古場は、御蔵入交流館のホール。

 この日は特別指導の花柳貴答先生・鶴澤弥吉先生が東京から来られていました。

 学校帰りの子どもたちの表情は、稽古が始まると一変して顔つきが引き締まり”役者の顔”になります。子どもたちにとって、馴染みのない言葉や深い情緒を表現する歌舞伎の世界。先生方も、もともと大人が演じる世界観を子どもたちにどう伝えようか、試行錯誤されていました。

      

 

 

 ◆2014/6/26 <見学2回目>

 

 今回は、田島祇園祭屋台歌舞伎保存会の方が指導にあたっていました。

 前回は台本を手に持ちながらの練習でしたが、台本なしで稽古に挑んでいる子どもたちもいて、本番に向け着実に成長しています。

 以前の先生方の指導や日頃の練習の成果か、陽風さんの台詞には艶が出て表現力にも幅が広がったように感じました。本番での演技がますます楽しみになりました。

     

 

 

 ◆2014/7/10 <見学3回目>

 

 今日から実際に屋台の上での稽古となります。

 今回は、花柳先生が指導に来られていました。本番までもう少しということもあり、何度も演技を止めいつもより細かいチェックをし、熱心に指導をされていました。

 陽風さんは、自分の課題の一つである女性らしさを前回よりさらに磨きをかけ、”女の子”の演技から”女性”の演技へ変わろうとしていました。そんな陽風さんを見ていると将来有望な役者になるのでは…と期待を寄せてしまいます。

 出演する4人とも台詞を覚えきれていないせいか、たどたどしさがありましたが、練習を重ねるにつれて上達しているのが伝わってきました。

     

 

 

 


 

 

 

 会津田島衹園祭の告知動画にも、子供歌舞伎の役者さんに出演して頂きました。ぜひご覧ください↓

 

 

 

 

 

 

 

 


役者紹介

       

 

 

熊谷次郎 直実

 

佐藤 恭香さん (高1)

 自分の息子を殺さなければならないという難しい役どころ。その複雑な心境への感情移入に苦労しました。自分の両親を見て、自分に対する行動から想いを察する事で役作りに励みました。人の心を察するということで、思いやりや感謝の心を大切にするようになりました。

 遠くからも足を運んでくださるお客様に恥ずかしくないような演技をすることで、練習に協力してくださったみなさんへの恩返しがしたいです。

 子供歌舞伎は8年続けてきました。人前に出ることで社会性も身につけられたように思います。

 目指している職業は、看護師さんです。幼稚園の頃、病気でお世話になった病院で今度は自分が看護師として働きたいと思っています。

  

平 敦盛

 

猪俣 彩可さん (高1)

 苦手だった立ち回りを、仲間に支えられて克服することが出来ました。まだ少し失敗を恐れる気持ちがありますが、そんな弱さにも打ち勝つ自分になろうと思っています。足を運んでくださるお客様や仲間のありがたさに感謝の気持ちから、人との関わりを大切にするようになりました。

 今年で3年目になる子供歌舞伎。まだ女役を演じたことが無いので来年は是非挑戦してみたい。歌舞伎を通して成長したことは、人前に出ることが苦手だったがいまでは学校でも大きな声で発表したりできるようになりました。

演技の腕を上げて、周りのサポートもしっかりできるように成長したいです。

  

平  山

 

渡部 幸太君 (小6)

 台詞を覚えるのに苦労し、何度も練習を重ねてきました。

 友達には知られたくないような悪役の平山の役ですが、今日はとことん悪役になりきって、この炎天下にも負けずに堂々とした演技をしたいです。

 歌舞伎を通して、昔の言葉の面白さを知りました。友達にも教えたりしています。これからも歌舞伎を続けていきたいです。

 

玉 織 姫

渡邊 陽風さん (中1)

 小さなころからあこがれていた祇園祭での歌舞伎の舞台の演技なので、緊張より練習の成果を皆さんに見ていただきたいという想いでいっぱいです。玉織姫の女性らしいしぐさを普段の生活でも意識して心がけていました。

 子供歌舞伎を始めて、伝統文化を知り多くの仲間に出会うこともでき、歌舞伎の素晴らしさをたくさん感じることができました。

 大好きな歌舞伎をこれからも続けてさらにレベルアップした役にもどんどん挑戦したいです。将来も大好きな歌舞伎にかかわる仕事をしたいので、これからも学び続けていこうと思います。

 


 

◆2014/7/22 例祭 ~会津田島祇園祭1日目~

町内は、祭りの雰囲気に包まれて多くの人で賑わい活気づいていました。

 

  

 

  

いよいよ本番を迎えた子供達。

楽屋でも練習に励む姿からは緊張感と真剣に取り組む姿勢が伝わってきます。

 

 

 

すっかり役者の顔になった子供達は凛とした雰囲気を醸し出して、なんだか私の方が緊張してしまいました。

頂いたコメントからも、練習の成果や成長の証がしっかりと伝わってきて、胸が熱くなってしまいます。

 

この日の晴れ舞台のために厳しい練習を乗り越えてきた子供達は堂々とした姿を見せていました。

 

16:00~ いよいよ舞台の幕が上がりました。

 

「一谷嫩軍記 須磨の浦の段」の物語の内容は・・・

源平の戦いで都をおちのびた平家の陣に、源氏方が攻め寄せ平家の敗路を物語ったものです。

先人は熊谷次郎 直実と小次郎直家の親子。平敦盛が熊谷に討たれ、敦盛の許嫁・玉織姫が平山武者所に刺されます。

しかし、実はこの敦盛こそが乱戦の中で敦盛になりすました小次郎直家であった。

 

戦乱の中離れ離れになってしまった敦盛を探し玉織姫は、須磨の浦までさまよい出た

 

姫の前に平山が現れ、自分の妻になるように迫るが…

 

 

敦盛を慕う玉織姫は、それを拒み平山を罵ると平山は怒り姫を刺してしまう。

すると、背後からの声に平家の手勢を恐れた平山はその場を逃げ去った。

 

平家の軍が船に乗り退こうとしている須磨の浜の波打ち際で、

敦盛もその船へ向かって馬を走らせていると、熊谷直実が声をかける。

 

 

引き返して勝負あれとの熊谷の言葉に引き返した平敦盛。

 

熊谷と敦盛の一騎打ちの勝負で、熊谷が敦盛を組み伏せると

 

 

敦盛が覚悟を決めて首を差し出す姿に、憐み逃がそうとする熊谷

 

 

その様子を遠くから見ていた平山が現れ、わざわざ組み敷いておきながら平家方の大将を逃すとは

熊谷には、二心あるに極まったと罵ると、敦盛は 熊谷はためらいながらも「未来は必ず一蓮托生」と願い

般若心経を唱えると、敦盛の首を切り落とした。

 

平山に深手を負わされ倒れていた玉織姫は、敦盛を討ち取ったという事を聞くと、

何者が敦盛を討ったのかと声をかける。

 

 

熊谷は、敦盛の妻であるという姫に討ったばかりの首を抱かせるが、

姫はもう目も見えずに嘆き悲しみながら息途絶えた。

 

 

忠義の為には、自分の子どもさえも犠牲にしなければならなかった武士の物語には戦いの世の無常と人生の儚さを表現しています。

激しい戦乱の世を生きた人々を見事に演じた子供達。叶わぬ想いや夢半ばにして息絶えてしまった無念さを糧に、現実では未来に向かって力強く歩き大きな夢を実現させて欲しいと思います。

 

 

舞台は第6幕に分かれて上演され、次の幕が上がるまでの間には、屋台に子供達を大勢乗せ「オーンサーン ヤレカケロ」の掛け声が響き渡ります。

 

 

 

日が落ちて辺りが暗くなると、提灯にあかりが灯り雅な祇園祭の雰囲気を楽しむ人が増え更に賑わいました。歌舞伎の第二部も昼間とはまた違った風情を感じます。

 

 

 

人と人を繋ぎ、また人から人へ命を吹き込まれて息づいている伝統文化が、仲間の絆を強くし一人一人を成長させてくれるようです。

子供歌舞伎を通して、自分自身と向き合い成長していく子供達を見ていると、頼もしく想い、伝統文化の素晴らしさを改めて実感しました。

 

まだ歌舞伎に馴染みの無い若い世代の方も、歌舞伎ファンの方にも楽しんで頂ける子供歌舞伎です。

 


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