南会津の観光スポット、イベント、ホテル・旅館などの情報をサポート!南会津を旅行する魅力をリアルタイムでお届けする観光案内サイト

文字サイズ
twitter facebook Youtube

スタッフブログ

2013/09/13 18:50

【これぞ南会津ブランド!】南会津町 針生のかすみ草 vol.3

 

 これぞ南会津ブランド! 南会津町 針生のかすみ草 vol.3

 

 南会津町の針生地区で栽培しているかすみ草。朝晩の寒暖の差が大きい会津地方全域は、品質の良い産物が採れる地域として業者さんの間でも評価が高いといいますが、その中でも針生地区から出荷されるかすみ草は「針生産」というラベルを付され、南会津町の他の地域ともまた異なる卸値で取引されるという存在です。

 

 その秘密は標高約700mという高原の気候にあります。かすみ草は夏に咲く花ですが、24時間あたたかい場所で育てるものよりも、朝晩の気温差があるほうがじっくりと成長し丈夫でしなやかな身体(茎)が育ち、ひとつひとつの花も大きく、消費者の手にわたってからの「もち」も長くなるそうです。

  

花が咲き始めたかすみ草畑(8月上旬)

真っ白な花がきれいです。


今年の夏はこの長雨で少し出荷量は伸び悩んでいるそうですが、「針生のかすみ草」として出荷する品質としては従来通り。「花つき、枝ぶり、比べてみたら 誰でもその違いを見分けることができるよ」と星さんはよく言います。見てすぐにわかる品質の良さ、私も直接花の様子を見させていただきましたが、何より花が大きい!

 

星さんのご自宅にて。かすみ草は、昔からの農家らしい和の住まいにも予想以上に似合います。

 

 

 写真でうまく伝わるかちょっと不安ですが、ひとつひとつの花の大きさが全然違います。「かすみ草の花ってこんなに大きかったっけ?」と思うほど別物!咲いた状態で7~8mmはあるでしょうか。いつも見ていたかすみ草の花は米粒のような印象があったので、この大きさにまずびっくり。

 

 「かすみ草にも品種があるから。最近は花の大きい品種が人気があるよ。」とのことで、かすみ草業界でも様々な品種改良が行われており、最近は全国的に花の大きい品種が栽培されているようです。それでも、2~3日後にスーパーの花売り場でかすみ草を目にしましたが、まったく全然、比べようもないくらいに違いました。見かけた花はやっぱり米粒のようで、ちょっとした小豆くらいあるんじゃないかという針生のかすみ草は「やっぱり別物」と思わせる風格がありました。

 

 それでも、この写真のかすみ草は規格外の売れないものなのだそうです。ちょっと傷がついていたり、出荷するのは背がちょっと低かったり。そんな素人目にはわからないような違いでも商品にならないの!?と思っちゃいますが、花は「美しくてナンボ」、野菜以上に見た目が大事なのでしょうね。

 ちなみに「良いかすみ草」は、枝の広がりが良く、花が全体的にまんべんなく付いているものだそうです。

 

 

 針生で育てているかすみ草の品種は「マリーベル」といいます。星さんは、「花屋でも、ただ『かすみ草』って書くんじゃなくて品種名も出して売ってほしい!」と熱望しています。「かすみ草はほとんどの人が知ってると思うけど、いろいろ違いがあるっていう事は知られていないから」と。う・・・確かに、私も知りませんでした。「品種ごとの違いまでわからなくていい。『かすみ草にも品種があるんだ』という事さえ知ってもらえれば、ここで売っているかすみ草はどんな品種かと興味を持つきっかけになるし、同じかすみ草といってもけっこう違いがあると気づいてくれると思うんだよ」

 

 星さんのおっしゃる通り、恥ずかしながらかすみ草の良し悪しなんてこと、ここで取材させていただくまで想像してみたこともありませんでした。福島の桃、山形のさくらんぼがあるように、土地と気候の利を生かし丁寧に栽培することで、その土地にしかできない高品質な作物が生まれ、ブランドになるんですね。品種の違い、品質の違いに気づき、消費者が品種や産地を選んで購入できる環境があれば、他のものは淘汰され、良いものが必ず残っていくはずです。

 

全体を見渡すとそばの花のように細かい花ですが・・・

近づくと大きくてまんまる。かわいいです。

 「針生でも栽培農家が減ってきて、『針生産』として一定の数を出すことが難しくなってるから、平場(針生のような山間部でない場所。針生以外の南会津地域)のと一緒の扱いにしてもいいんじゃないかと思ってる」と星さんは言います。現在、針生でかすみ草栽培をしている農家は昨年からさらに2軒減って今年は4軒。農業従事者の高齢化はどこも例外ではありません。針生産という確かな品質のものが存在しても、需要に応えられるだけの量を市場に提供できなければ、ブランドとして存続することもままならなくなってきます。「いま残っている4軒は、年齢的にはもうしばらく続けられる人ばっかりだから、あと十数年は大丈夫だと思うけどね。」それでも将来的にこの針生ブランドが消えてしまうのは惜しいものに思えてなりません。

 「このへんに県外から移住してくる人もけっこういるから、もしかすみ草を始めたいっていうのであればそれもいいんじゃないかと思うよ。これでひと儲けしよう!っていう人には向かないから諸手を挙げておすすめ!とはいかないけど、普通に生活するぶんにはかすみ草栽培は悪くない」プライドを持って良いものを作り続ければ、ブランドとして周囲が価値を認めて相応の評価をしてくれる。かすみ草だけでなく植物にとって良い気候条件の揃う針生地区の土地の魅力を引き出し、最大限に活用してくれる次世代の力の誕生が待たれます。

 

 

 星さんのかすみ草の収穫は10月まで続きます。針生地区は特に冬の訪れが早いので、霜が降りたら店じまい。ハウスの中を暖房であたためればそれなりに続けられるそうですが、9月~10月のブライダルの時期以降はかすみ草の需要は高くないので、自然にまかせてこの年の栽培を終了します。

 

 農業は、土地と気候に合ったものをつくる。当たり前のことですが、育てる「もの」と、適する「環境」がピッタリ合ったとき、「ブランド」とまで言うことのできる品質の作物が出来る。それを実感した取材でした。同じ町内でさえ場所によって違いが出るのは、標高や土や風通しなど、よくよく話を聞いてみれば当然のこと。それを知っている人だけが、その価値を理解し、求めることができる。針生のかすみ草は、その違いを知っている仲買人さんが指名して買っていくそうです。そんな、玄人に好まれるものを誇りをもって作り続ける農家さんも、「職人」と言えそうですね。

 

 

 

 

コメント投稿

投稿されたコメントは、ユーザの方々の主観的なご意見・ご感想です。

あくまでも一つの参考としてご活用ください。

口コミを投稿する
このページのトップへ