グルメ【スタッフが呑む – その六】花泉酒造「十ロ万(とろまん) 純米吟醸」
(2020.11.04 09:00)
南会津では、豊かな大地の恵みと綺麗な水を活かして酒造りが行われています。日本酒、米焼酎、どぶろく・・・丹精込めて仕込んだお酒からは蔵人たちの情熱と愛が伝わってきます。
おいでよ!南会津。スタッフが、南会津のお酒を自分なりのシチュエーションで、南会津の肴で呑んだレポートです。個人それぞれの感性でお伝えしますので、やや主観的な表現かもしれませんが、どうぞご容赦ください。
花泉酒造 |
2020年8月に創業100周年の節目を迎えた花泉酒造。「人の和」を大切に、機械に頼らず、昔ながらの手法を守り、職人気質の酒造りを行っています。 旧南郷村は日本有数の豪雪地帯。その昔、雪によって峠が閉ざされ、外から思うように物資が届かず、お酒も手に入りにくいことがありました。そこで、お酒がないなら自分たちで造ればいい、という思いを持った先人たちが立ち上がり、自ら酒造りを始めたのが花泉酒造の始まりです。 |
十ロ万 純米吟醸 |
アルコール度 15度 |
精米歩合 50% |
うつくしま夢酵母使用 |
今回の「南会津の酒を呑む」シリーズはスタッフKNが務めます。
南会津の旬の美味しいものと地酒を呑むシリーズも6回目。今回のお酒は花泉酒造の人気銘柄「ロ万(ろまん)」から「十ロ万(とろまん)純米吟醸」です。ロ万シリーズは発売時期などによって漢数字がつき、この十ロ万は田んぼの稲穂が黄金色に輝くころ、ゆっくりと熟成され、味わいを深め、丸みと奥深さが増した秋出しのお酒です。
通常日本酒は三段仕込みという仕込み方をしますが、ロ万シリーズは四段仕込みで最後にもち米を使います。もち米を使用するからなのか、メロンのような香りが立ちます。また、十ロ万は熟成されているぶん、香りが立ちやすい印象があり、呑む前から香りで十分に楽しませてくれるお酒です。
飲み口は意外とさらっとしています。南会津地方のブナやナラの原生林によって濾過された、高清水自然公園から湧き出でる清水を仕込みに使っているからかと。口に含むと、もち米で仕込まれた重厚感がのしかかり、米のうまさが口に広がっていきます。酸味よりうま味がふくらみますので、森林浴でもしているかのような印象すら受けます。
さて、今回の南会津の肴は「南郷トマトドレッシング」と檜枝岐村の「舞茸御飯の素」です。
シーズンになると「おいでよ!南会津。」で度々登場しますが、南郷トマトは南会津ブランドを代表する特産品。この南郷トマトを使った「南郷トマトドレッシング」は福島県産品活用6次化商品のおいしい大賞にも選ばれました。
スーパーをうろうろしながら思いついたのがこちらです。
南郷トマトの酸味とコクを活かしたドレッシングなので、野菜サラダに一工夫加えたいところ。と思っていたら、うまそうな天然物のすずきを見つけたので、すずきのマリネ風サラダ仕立てでいただいてみることに。
ほど良い酸味が効いてすずきのうまさを引き立ててくれます。追い南郷トマトしたのが抜群に良く、つまみのはずなのにバクバク本気食いしてしまいそうになるのをこらえます。
南郷トマトと南郷のお酒。いい感じで口の中を幸せにしてくれます。
もうひとつの南会津の素材「舞茸御飯の素」。じーっと見つめていたらふと閃いてしまいました。炊き込みご飯で食べておいしいのはわかりきっているので、ちょっと目先を変えて味付け調味料として使ってみることに。
会津産のアスパラとひらたけがあったので、さっと炒めたところで舞茸御飯の素をかけてもうひと炒め。我ながらびっくり。アスパラ、舞茸、ひらたけ、醤油風味、秋の味覚らしさ満点で実にうまかった。本気食いしてしまいました。
十ロ万が油を程よく流しながら、アスパラと舞茸のうまみを口の中に広げてくれました。
花泉の「ロ万」シリーズは大好きなお酒のなかのひとつです。南会津町南郷の蔵人たちが情熱と愛情をこめて醸したお酒。ますます好きになりました。
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